大学側の予告では2014年から差し替えドイツ語は全独の4(会話文読解),5(独文和訳)と同一になるとのことで、多くの方が難化するだろうと予想していたのですが、実際には全独の4,5を従来の差し替えⅣ(独文和訳),Ⅴ(簡易独作文)に合わせるといったかたちになっており、難易度も従来の差し替え、あるいはそれよりも易しいものになっていました。
形式についてもう少し正確に言うと、Ⅳは従来の差し替えそのまま、Ⅴは従来の差し替えのⅤと同じような並べ替え問題が3問、従来の全独の3と同じような言い換え問題が3問といった様子です。この形式は来年以降も継続されると思うのですが、やはり内容が簡単すぎたので、次回からは難化が必至と思われます。(とは言えきちんと対策すれば秒殺です。。。)
ということで、私の実践したゼロから従来の全独3,5に対応できるプランをご紹介します。
1. 初歩的な文法を修得する
在間進
三修社
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まずはゼロからシリーズです。発音ですとか、綴りなどといった、本当に初歩的な事項から学べます。このシリーズが唯一初学者向けに作られています。他の初学者向けと称する本は、どれも大学等での授業が前提となっている印象ですね。
またチェックテストの応用テストは、限りなく本番のⅤに近いレベルの問題が多数収録されていますから、初期に学習した後、直前にも総復習されることをオススメします。
2. もう少し詳しい文法事項、単語、そして長文読解力を並行して修得する
ゼロからシリーズをマスターしたら、単語と長文の学習に入ります。まずは単語です。
初学者向けの基本単語を学習するには最も効率的な本です。ドイツ語版DUOと呼ぶのにふさわしく、僅か300の例文で1500語の基本単語が覚えられます。ドイツ語とは関係無いですけどターゲットとか、単語王?とか語句を羅列しただけの本は今すぐ絶版にしたほうが良いですね。
そこでオススメな記憶法として挙げられるのが、『受験は要領』で解説されているような、羅列された単語を覚えようとするのではなく、例文をスラスラ読めるようになることを意識して学習し、結果的に単語を覚えるという方法です。これは外道ではない脳科学者の『受験脳の作り方』 でも科学的な根拠に基づき効率的であるとされています。やはり人はバラバラに知識を覚えようとすると鬱になるものです。。。以前英単語のメモリーツリーをシコシコ作成している頭のおかしい多浪生を見かけたことがあるのですが、そんなことをやっているから何年も●稲田に受からないのだなぁ・・・とこれらの本を読んで妙に納得した経験があります。
以上で単語は十分ですが、加えて重要単語4000の巻末の不規則変化動詞の活用表を3・4級必須単語集と同時期から毎日音読することをオススメします。Vの作文問題では不規則変化の活用が採点ポイントになることが多いからです。
上記2冊と並行して以下の本で若干詳しめな作文問題&長文問題にもチャレンジします。
3. 全独3, 5に対応できる文法事項、長文読解力を修得する
今年の問題ではドイツ語3000までで問題ないのですが、いくつかの年度の差し替え、全独ではもう少し難しい問題が出ますので、それらに対応できるようになるために必要なのが次の本です。
中島耕太郎
同学社
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独検2,3級とあるのですが、これは昔のもので、現在の独検準1級、2級に相当するレベルの問題が多数収録されています。特に同内容に言い換える作文問題が豊富に含まれていて、なおかつ新正書法に改訂されているのはこの本くらいですので、他に選択肢はないと言ってよいでしょう。独検の過去問も良いのですが、全訳がついていないのでちょっと学習しづらいです。
4. 以上のステップ1〜3を繰り返す
わずか6冊を繰り返すだけで外国語の合格者平均点に15〜20点程度上乗せできますからもうやるしかありませんね。その際各参考書で重点的に復習するべきなのはもちろんⅣ対策となる和訳問題、Ⅴ対策となる簡易作文問題です。また、いろいろやってみて文法知識の整理がままならなくなった場合、あるいは過去問をやってみてよく分からない部分に遭遇した場合、次の本で確認すれば大丈夫です。
中島 悠爾 朝倉 巧 平尾 浩三
白水社
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あくまでわからないところが出てきたら調べるといった使用法が適切です。最初から読破しようとしたりすると失敗すると思います。。。
5. 過去問を解いてみる
ステップ1〜3の6冊をマスターした後、過去問にチャレンジしてみましょう。
こちらのサイトにて東大新聞入試問題解答号の2013年度までのバックナンバーが販売されています。この入試問題解答号には、全独・差し替えドイツ語の問題・解答が掲載されているので、購入して解いてみることをオススメします。
2012年度以前の入試問題については、東大新聞のバックナンバーが国立国会図書館に所蔵されているので、時間に余裕のある方はコピーを申し込んでみることをオススメします。
※2014年度以降のバックナンバーは、東大新聞のアプリでも販売されていますので、最近のものでしたらこれで十分です。
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おわりに
以上のプランで簡単な年なら満点、難しくても35/40点程度は狙えると思います。
そもそも難しい問題が出たとしても、それらを理解できないというより単に知らないというだけなので、ハマって時間を浪費することなく見切りをつけられますから、最大のメリットである時間短縮には影響を及ぼしません。
英語の4,5を対策するよりは多少時間がかかるかもしれませんが、取り組む価値は十分あると思います。
そもそも難しい問題が出たとしても、それらを理解できないというより単に知らないというだけなので、ハマって時間を浪費することなく見切りをつけられますから、最大のメリットである時間短縮には影響を及ぼしません。
英語の4,5を対策するよりは多少時間がかかるかもしれませんが、取り組む価値は十分あると思います。
すべてのドイツ語選択者に栄光あれ。。。(完)
大変参考になる記事ありがとうございます。
返信削除いくつか質問させてください。
これらの量をこなすのに、だいたい1日どれくらい勉強してどれくらい合計かかったでしょうか?
またドイツ語の単語は個人的には覚えづらいと思うのですが、
どのようにして覚えておられましたか?
お役に立てて良かったです。
返信削除1日あたり1ー2時間で500時間近くはかかってしまったと思われます。
学習開始してからしばらくは英語と区別がつきづらいので、覚えづらく感じてしまうのだと思います。音読してドイツ語に慣れるまでは辛抱するしかないかもしれません。
私の場合は、i暗記というアプリで例文カードを作って、それをひたすら音読して覚えましたね。